Q 東日本大震災から1年が経ちました。野田内閣総理大臣は、東日本大震災一周年追悼式の式辞の中で、「被災地の復興を一日も早く成し遂げる」、「生活の再建を進める」とおっしゃっています。
そこで今日は、生活再建に欠かせない「雇用問題」への政府の取組について、お話しを伺って参ります。
A はい。政府として、東日本大震災からの雇用復興に向けて、「日本はひとつ」しごとプロジェクトを進めており、先週9日、厚生労働省は、これまでの1年間の取組について報告書を取りまとめ、公表しました。
この1年間、関係省庁、自治体、民間団体の枠を超え、まさに「日本はひとつ」となって、被災地の就労支援・雇用創出に取り組んできましたが、いまだに職に就けない方も数多くいらっしゃいます。
今回の報告書では、被災された方1人ひとりに届くような雇用支援を実施するため、これまでの取組経過をまとめるとともに、今後の対応などについて整理しています。
Q まず、震災発生当初はどのような対応をされたのでしょうか?
A はい。厚生労働省は、当面の生活対策として、震災の翌日、3月12日に、当時の独立行政法人雇用・能力開発機構に対して、被災者の雇用促進住宅への受け入れを要請しました。この雇用促進住宅につきましては、平成25年3月末まで無償で貸与できることとしており、現在も地方自治体等を窓口として被災者の雇用促進住宅への受け入れを行っています。
また、3月12日に被災地のハローワークに特別相談窓口を設けたほか、3月25日には被災地以外のハローワークでも被災者用の特別相談窓口を設け、対応にあたっています。
さらに3月13日には、災害により事業が休止・廃止されたり、休業により賃金が支払われない場合、実際に離職していない場合でも雇用保険の基本手当を受給できる特例を実施しました。
このほか、3月17日に、被災した企業が従業員を休業させるなどして雇用を維持する際、その費用の一部を助成する雇用調整助成金に関して、特に被害が大きかった福島県を含む被災地の事業者について、手続の簡素化や制度の拡充を行いました。
Q 就職支援についてはいかがでしょうか?
A はい。避難所等に避難されていた方の多くは、ハローワークへ行くことも困難な状況にあったことから、ハローワークでは避難所等への出張相談などを実施しました。今年の1月末までに全国で5000回近く開催し、2万件を超えるご相談に対応しています。
Q 冒頭ご紹介のあった「日本はひとつ」しごとプロジェクトでは、具体的にどのような取組をされたのでしょうか?
A はい。政府としては、昨年4月5日にとりまとめられた「日本はひとつ」しごとプロジェクト・フェーズ1に基づき、当面の緊急総合対策として、
1)復旧事業や雇用創出基金事業による確実な雇用創出
2)ハローワークによる出張相談や職業訓練の推進による被災した方々としごととのマッチングの推進
3)雇用調整助成金や雇用保険の特例措置による、被災した方々の雇用の維持・確保
に取り組みました。
Q 震災発生から日が経つにつれ、政府の対応も拡充されたと思いますが、いかがでしょうか?
A はい。政府としては、昨年4月27日に取りまとめられた「日本はひとつ」しごとプロジェクト・フェーズ2に、第一次補正予算の活用や法律措置を含めた総合的な雇用対策を盛り込み、具体的には、公共施設等の復旧、仮設住宅の建設などにより雇用を創出するとともに、雇用創出基金事業により、避難所の見回りや高齢者のケアなどの様々な仕事を生み出しました。さらに、被災した方を雇い入れる企業への助成などを活用しながら、ハローワークできめ細かな就職支援を行いました。
これまで被災3県でハローワークを通じて12万人以上を就職につなげ、雇用創出基金事業により約3万人の雇用を創出しました。
Q 復旧から復興へと状況の進展に伴い、雇用情勢も大きく変わったと思います。政府による対策の内容はどのように変化したのでしょうか?
A 昨年7月、「東日本大震災からの復興の基本方針」が策定され、復興に向けた中長期的な方針が示されたことを踏まえ、昨年10月25日、本格的な雇用復興に向けた予算・税制措置を盛り込んだ施策をフェーズ3として取りまとめました。
具体的には、地域の強みである農林水産業や製造業などの復興の実現とともに、地元での本格的な安定雇用を生み出すべく、
1)地域経済・産業の再生・復興による雇用創出
2)産業振興と雇用対策の一体的支援
3)復興を支える人材育成・安定した就職に向けた支援等
に取り組み、58万人程度の雇用創出・下支え効果を見込んでいます。
Q 震災から1年が経過しましたが、今後の雇用に関する課題についてはいかがでしょうか?
A はい。福島県を含む被災三県の1月の有効求人数は11万人を超え、かつてない高水準となっており、有効求職者数も14万3千人と、依然として高水準に留まったままであり、雇用情勢は依然として厳しい状況です。
今後は、長期的な安定雇用の創出を図るため、求人・求職のミスマッチの解消が必要です。また、女性が比較的希望しない建設業等の求人が伸びていることから、女性の雇用対策が求められています。
福島県では、特に原子力発電所事故による避難者の帰還支援にあたり、「雇用確保、産業振興」が求められており、現在、具体的な支援策について検討を進めているところです。
Q そのような課題に対し、政府はどのような対応をするのでしょうか?
A 政府としては、今後の対策として、「日本はひとつ」しごとプロジェクトのさらなる推進を図り、雇用対策が被災者1人ひとりにしっかりと届くように、全力を挙げているところです。
具体的な対策としては、
1)地域経済の再生・復興のための産業政策と一体となった雇用支援
中小企業グループ補助金や、企業立地補助金などにより、被災企業の事業再開、新規立地や、農林水産業の復旧・復興を支援していきます。
また、産業支援策と一体となった雇用面での支援を行う事業復興型雇用創出事業や、女性の活用などといった雇用モデルの創造のための生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業を推進します。
2)ハローワークでの就職支援の充実
そして、ハローワークでは産業政策や復旧・復興事業で生じる求人を、ハローワークで開拓・確保し、必要な求職者には担当者制による個別対応を行い、職業訓練に誘導するなどきめ細かな就職支援を行います。
3)雇用のミスマッチ解消のための公的職業訓練の拡充
等を進めてまいります。
【参考】厚生労働省ホームページ
「日本はひとつ」しごとプロジェクトの1年の取組
~東日本大震災からの雇用復興に向けて~
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000024syd.html